かなり昔の話になります。(←前置き)
費用対効果という言葉がマーケティングの現場で定着しつつある時代の話です。
費用対効果
かかった費用に比較してどのくらい効果が得られたか、また、費用に見合った効果が得られているかを示す指標ですね。
僕は当時、営業の前線で新規営業をやっていました。バブルがはじけたあとの時代です。
いまでいうCPO(Cost Per Order)やCPR(Cost Per Response)みたいなワードのかわりに、費用対効果という言葉を多用していた記憶があります。
新規営業で、いまはもう名前が変わった不動産会社さんへ行きました。分譲マンションの販売をしている部署です。
モデルルーム来場者の属性を分析して、居住している建物属性をセグメントしたポスティングをやりませんか?
配布数は減りますが費用対効果は上がると思いますので一度テストしてみませんか?
このような提案を持ちかけました。
当時ならではの提案ですね。。笑
あのころのマンションは一次取得者層が購入するという前提がありましたから。
すると驚く返事が返ってきます。
チラシの数が減ると困るんだよね。
ポスティングの単価を下げてどれだけ多くチラシを配布できたかが重要なんだよ。
○円でやってるんだけどもっと安く出来ないの?
(ああ、単価叩きか。。)
ポスティングの配布員はベテランでも1日2000枚配布が限界です。
○円だと配布員の日給と斡旋した会社の取り分を考えると合わないですよ。
どこかでチラシを捨てて間引きしてれば別ですが。
いいんだよ。別に捨ててても。
同じ予算でより多くチラシをばら撒けたっていう数字が俺の評価になるんだから。
!!!
(なんだ、これ。。)
いやあ、驚きましたね。(集客してマンション売るのが目的じゃないのか。。)
ここまではっきり言った人は他にいませんでしたが、単価叩きがエスカレートしていった時代でもありました。
ここでポスティングの話を少し。
さて、いまの時代は1日2500枚配布するスゴイ配布員がいるみたいです。
ポスティングには配布方法がいくつかありますので紹介します。
1. 併合配布(併配)
2. 単独配布(単配)
3. 軒並み配布
4. 選別配布
5. 全戸配布
1. 併合配布(併配)
複数社のチラシを同時に配布します。
配布効率がよいので配布単価が安く、折込チラシ並みの金額で実施できます。
ただし配布日を指定できず、だいたい1~2週間のあいだで配布完了となります。
2. 単独配布(単配)
一社のチラシ単独での配布です。
併配に比べ配布単価は高くなります。
週末に向けた案内など配布日を指定したい場合に利用します。
3. 軒並み配布
配布エリアを決め、そのエリアにまんべんなく配布する方法です。
ただし、まんべんなくとはいえ配布効率がありますので、そのエリアの世帯数の7割くらいが配布数となります。
4. 選別配布
配布エリア内において配布する対象を選別する配布方法です。
たとえば一戸建てのみとか、アパートのみとか、賃貸マンションのみとか指定します。
配布効率が悪くなりますので、配布単価も高めになります。
5. 全戸配布
エリア内の全戸にくまなく配布する方法です。
住宅地図を片手に漏れがないようチェックしながら配布します。
自治体などの配布物でよく利用されます。
軒並み配布に比べ配布効率がかなり悪くなりますから配布単価も高めになります。
このようにポスティングには商材によって様々な配布方法があります。
ポスティングは反応が悪くてタウンメールは反応が良いという声がよく聞こえてきます。
同じポストに投函されるものにもかかわらず、なぜ違いが出るのでしょうか?
郵便局がちゃんと配達しているから。たしかにそれも一つかもしれません。
ここからは僕の持論ですが、同じポストに投函されるものであってもチラシとDMの違いがあります。
そう、タウンメールはチラシは配達できないんです。
つまり、ポスティング=チラシ、タウンメール=DM なわけです。
だったらDMの形状のものをポスティングしたら。。。
おそらくタウンメールのときに近い結果が出るでしょう。
ポスティング侮れないな。
ただしタウンメールにも利点があって、ポスティングが出来ない高級マンションなどにもタウンメールは配布できたりします。
ポスティングやタウンメールを利用するマーケティング施策にお困りのときは僕にご相談ください。
この記事を書いた人
ヨシムラ スイメイ
DMマーケティングプロフェッショナル15-0017
株式会社ヴィアックス/ダイレクトマーケティング事業本部/事業推進室長