いまではメール便やらゆうメールやらDM便やらダイレクトメールを配送する手段っていろいろあります。けど、一昔前は郵便しかなかったんですよね。(←多分)
ダイレクトメールにかかわる仕事をしている人でも郵便のことを知らない人が非常に多いんです!
今日はその郵便のことについて書いてみます。
まず郵便のことを語るには郵便法抜きでは語れません。郵便法ってあるのご存知でした?
民営化されましたが日本郵便はそもそも郵政省(古くは逓信省)が前身で、郵便は国の事業でした。国は法律で郵便を細かく定義していた訳です。
郵便法の内容はwikipediaによると、
信書の送達の独占、検閲の禁止、郵便の業務に携わる者が知り得た秘密を保持する義務(守秘義務)、万人に公平なサービスの提供、郵便物の定義、特殊扱いの定義、郵便物に対する損失補償と損害賠償、の他、日本国憲法の精神及び万国郵便連合の国際的標準に沿ったもの。
となっています。
まあ、ようは大まかにいうと郵便は郵便法に沿わなければいけませんよということです。
細かい部分(大きさ厚みとか料金とか、これはダメこれは良いとか)は日本郵便の郵便約款にて定められています。
ここまで読むと「郵便ってめんどくせーなー」って思いますよね?
そうです。面倒くさいんです!!
だから知らない人が多いっていうか知ろうとしない人が多いんでしょうね。。
ただ、ダイレクトメールのプロフェッショナルは郵便がわからないじゃ話になりません。
郵便法に「信書の送達の独占」とあります。つまり信書は郵便でないと送れないんです!
ちなみにメール便やらゆうメールやらDM便やらは郵便ではないので、それらで信書を送ると郵便法違反となります。
郵便法によると、
「第76条 第4条の規定に違反した者は、これを3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。」
第4条の規定とは、大まかにいうと前述のメール便やらゆうメールやらDM便やらで信書を送っちゃだめよということです。
信書を送るのを依頼した人、請負った企業が罰せられます。
怖いですね~。
ざっくりと書いているので補足します。
信書便法が2002年に制定され、民間企業が郵便事業に参入出来るようになりましたが、条件の厳しさゆえいまだに一般信書便事業に参入した企業はありません。
で、先ほどから信書という耳慣れないワードが頻出しています。
信書とは、
「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法に規定されています。
???
何をいっているんだかさっぱりわかりませんね?
「特定の受取人」とは、
差出人がその意思又は事実の通知を受ける者として特に定めた者です。「意思を表示し、又は事実を通知する」とは、
差出人の考えや思いを表現し、又は現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えることです。「文書」とは、
文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことです(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません。)。
と総務省のWEBにあります。
さらに何をいっているんだかさっぱりわかりませんね?
ざっくりいうと、
Aさんに「Aさん、この間買ったシャツ着てますか?また来てくださいね」というDMは信書です。
Bさんに「来月1日は30%引きセール開催です!皆さまご来店お待ちしております」というDMは信書でないです。
Aさん宛のDMは、特定の受取人(Aさん)に差出人の意志を表示(また来てくださいね)してますよね。
Bさん宛のDMは、受取人をBさんに特定していませんので信書ではないのです。
信書に関して細かくいうと諸々あるのですが、そこらへんは長くなるのでDM出したいときに僕に相談してください。
郵便に話を戻しますと、郵便の種類って4種類あるんです。
第一種郵便から第四種郵便まであります。
第一種っていうのは封書の郵便物ですね。
第二種っていうのはハガキの郵便物です。
第三種は認可を受けた定期刊行物。
第四種は認可を受けた通信教育用郵便物や点字郵便物などです。
おもに馴染みがあるのは、第一種郵便と第二種郵便ですね。それらもサイズ(長辺・短辺・厚み)や重量に規定があって、第一種郵便はサイズや重量で料金が変わってきます。
そしてややこしいのが、一度に発送する数量や郵便局へ持込みする際の郵便物の仕分け方法によって細かく割引率が設定されているんです。
なんと最大で43%の割引! 82円切手貼って出す封書が、あーやってこーやってドカーンと出すと1通あたり46.74円になってしまうという。
ただ、このあーやってこーやってってところを知らないDMの営業マンがいるんですよね~たくさん。
郵便で送るダイレクトメールが面倒だという2つの大きな理由
1. 信書ってよくわからない
2. いろんな料金設定があって、さらに割引率がこまかいとかよくわからない
郵便だけとってもダイレクトメールは奥が深いんです。
相談されるのならプロフェッショナルにお願いされるのがいいですね。
この記事を書いた人
ヨシムラ スイメイ
DMマーケティングプロフェッショナル15-0017
株式会社ヴィアックス/ダイレクトマーケティング事業本部/事業推進室長